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「環境」~おべんとうことりのこと32



おべんとうことりの窓からは

四季折々かわる自然の佇まいを楽しむことができます。


春には芽吹く若芽の様子

夏は青々としげった元気あふれる姿

秋には色とりどりの葉たち

そして

冬は美しく雪化粧した木々


晴天の日、雨降り、強風、大雪

その日の様子を窓越しに日々感じながら

毎日お弁当を作っています。


良い食材を選ぶこと

調味料を厳選すること

味のバランスや衛生管理など

「食べる」ことを作りだす時

気にかけることは沢山ありますが


どんな「環境」で作っているのか

目にはみえないけれど

それは

とても大きな力を持っていると感じています。


自分自身が心地よい場所で

自然の一部であるということを感じながら

いつも心を落ち着かせ

やさしい想いでつくること



先日あるエッセイを読みました。


学生の頃、お弁当の蓋をあけると胸が苦しくなった


とありました。


お弁当の中には前の晩の残りものが入る

おかずを通して、自分の家族の情景が目に浮かぶ

弁当箱の蓋をあけると、

父の怒鳴り声と母のため息が飛び出してくるみたいだった

(引用元:RICE(2020)『阿部家のおべんとう』P40)



お弁当の中には

ごはんやおかずだけではなく

それを作った時の「環境」が

見えない力となって

一緒に詰め込まれていくのだと思っています。


繰り返す毎日には色々なことがあります。

何もかも上手くいかない日も

理由もなく何かに苛立つ時も


でも

お弁当箱の蓋をあけた時

風にそよぐ木々のささやきや

枝からハラハラと落ちる雪のきらめきが

やさしさに姿をかえて

ふわっと飛びだしてくれたら

ほんの一瞬でも笑顔になれるのかもしれないな


そんな風に思いながら

お弁当箱の蓋をそっとしめる

おべんとうことりです。


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